水虫はなぜ治りにくいか?
皆さんも感じているかも知れませんが、何故か「水虫は治らない」という印象があります。水虫は病気の一種なので、原因があって発症しています。的確な診療が行われてそれに基づいた治療すれば、治る可能性はありそうです。しかし、水虫には適切な治療で治る部分と、それでも治らない部分があるのです。
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水虫治療薬のレベル
現在の水虫治療薬は、足白癬に限って言えば、今まで述べてきたように十分な治療効果があることがわかっています。最近の抗真菌剤は、白癬菌に対して試験管の中では0.001mcg/ml(1mlあたりに0.001マイクログラム)の濃度で菌の発育を抑えることができます。
これは、家庭用の風呂おけに耳かきに乗る程度の砂糖を溶かしたくらいの濃度です。市販されている薬には、これらの主剤が1%ほど含まれています。治療ではこれだけ強い薬を患部に直接塗るので、その場所だけでなく少し深いところにも十分な濃度の薬が届いています。
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薬が効きにくい部位
前項で述べたとおり、市販の水虫薬でも、一般的には足白癬治療には十分な濃度の抗真菌剤が含まれています。しかし、厚くて硬い爪や、足の裏の角層のような極めて厚いところでは、治癒に十分な濃度の薬が届いていないことも考えられます。角化型足白癬や爪白癬は、外用薬のみではなかなか効果が現われないのはそのためでしょう。薬剤の使い方に、工夫が必要かも知れません。
足の指のあいだの皮膚はそんなに厚くないため、理論上は趾間型足白癬は現在の薬で治り、再発もないはずなのです。それでも、「水虫は治らないもの」という考えは根強くあります。
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適切な治療ではない場合
水虫がなかなか治らない理由のひとつに、病変が実はカビによるものではなくて、適切な治療がされていないケースが挙げられます。水虫とは、足の症状に対してつけられた病名で、その中には白癬菌のみの感染の場合と、それとは無関係な皮膚病が混ざっている可能性があります。
つまり、白癬菌由来のみであるか、それ以外にどんな原因で水虫が発症したかによって治療方針が変わってきたり、複合要因に対応しなければならないわけです。
足の病変がたとえば、何か劇物に触れたためのかぶれや、細菌が異常に増えたためであるとすると、治療を始める際にその原因を突き止めて的確な治療法が決められなければなりません。
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正しい治療が、完治への道
病変の原因を突き止め、的確に治療方針が決められなければならないことは前項で述べました。しかし、病状を観察するだけでは、足白癬とそれ以外を判断するのは容易ではありません。しかも、足白癬と、かぶれと細菌の感染では治療法が正反対といっていいほど全然違うのです。
原因の切り分けで間違えた判断をしてしまうと、完治までの道のりが遠くなってしまいます。素人判断でいい加減な治療をしていれば、治りが悪いだろうということは想像に難くありません。優れた薬が発売されていてもなかなか水虫が治らない、大きな理由の1つです。
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白癬菌以外のカビが原因だった場合
足の病変の原因が、実は白癬菌ではなく他のカビのこともあります。これも、治癒への道のりが長くなる要因のひとつといえるでしょう。この場合、最も多いのがカンジダというカビが原因のケースです。症状は趾間型足白癬によく似ていますが、一般的に白癬菌の有無を判定するために使われるカセイカリ標本でも見ることができるため、検査の過程でもカンジダはよく白癬菌と間違えられがちです。
詳しく見分けるためには培養という方法がありますが、特徴を見分けられるようになるまでには2週間近くかかります。そこで実際の治療は、カセイカリ標本でカビが見つかった時点から開始されることが多いです。このときに、新しい白癬菌とカンジダ両方に効く薬が使えればいいのですが、どちらかにしか効かない薬ではずれた場合は、症状が悪化する可能性もあります。
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治療をやめるのが早すぎた場合
足白癬に適切な治療が施されていた場合は、数日で治療効果があらわれて、多くの場合は3〜4週間後くらいには白癬菌が現われなくなり、症状もよくなるのです。
しかしこの時点で治療を止めてしまうと、間もなく再発するケースがほとんどなのです。つまり、治療は適切だったにも関わらず、完治はしない、ということになります。数週間の治療では、菌が死滅することはないのです。確実に直すには、どれくらい治療を続けていればいいか、実はこれがはっきりしないのです。患者側からすれば、それがわからないから途中で治療をやめてしまいがちです。
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白癬菌は、どこにひそんでいるか
皮膚科での足白癬の原因菌は、紅色菌と趾間菌がそれぞれ約50%づつで、ほとんどを占めています。また、足白癬が再発した場合のほとんどは、前に発見されたのと同じ種類の菌が見つかります。
白癬菌は、どこにかくれているのでしょう?ひとつは、なかなか薬がしみわたらない、分厚い角層の深部です。足白癬が治ったとみえても、なお角層の中に少数の白癬菌が生き延びています。特に爪まで白癬が及んだ場合は、さらに白癬菌が潜伏しやすい環境であると言えます。
もうひとつは、病変の周りの、一見正常に見える部分に菌が潜んでいる場合です。病変部の治療時にはまだ症状が現われていない部分がまわりにあるのです。
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常在菌に近い白癬菌の性格が、再発を招く
一部の白癬菌、特に紅色菌などは、好人性といわれるほどに人に慣れた菌です。人とある意味仲がいい菌に対しては、人側の排除反応が起こりにくいため、長い期間にわたっておとなしく潜伏していることができるのです。
長い期間をかけて触れてきた、人と一部の白癬菌との間では、既に常在菌に近い関係が成立しています。そして人が靴をはき始めて、足の温度と湿度が必要以上に高くなったため、白癬菌が過剰に繁殖する環境ができあがりました。白癬菌が足に過剰に繁殖してやっと人側が排除の反応を起こしたのが足白癬です。
結局のところ、これは人間が病的な状態を作った、といえるのです。治療をして病変部の環境を改善すると一度はおとなしく常在菌のような性格に戻って生き延びます。しかし再び病変部の温度や湿度が元に戻ると、再び白癬菌の過剰繁殖が再発します。現代病とも言える、みずむしと足白癬の意味が、ここにあるといえます。
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